メディア取材が来るプレスリリースの書き方–現役広報PRコンサルタントが5つのポイントを解説!

「プレスリリースを送ってもメディアに取り上げてもらえない…」
「せっかく作成したのに、全く反応がない…」
このような悩みを抱えている企業は少なくありません。
実は、メディアに選ばれるプレスリリースには、押さえるべき5つの重要なポイントがあります。
本記事では、現役の広報PRコンサルタントが「メディアに刺さるプレスリリースの書き方」を5つのポイントに絞って詳しく解説します。
プレスリリースの基本を押さえて、効果的にメディア露出を増やすための参考にしてみてください。
メディア取材が来るプレスリリースの5つのポイント
ポイント | 概要 |
---|---|
1. メディアフックを増やす | 記者が興味を持つ要素を複数組み合わせる |
2. メディア視点で書く | 企業目線ではなく記者目線で、報道価値を意識する |
3. 5W1Hを簡潔に伝える | 忙しい記者にとって、一目で内容が伝わる構成にする |
4. 開発ストーリーを加える | 商品やサービス、企業や社長の背景にある想いを伝える |
5. 視覚的に情報を整理 | 画像・グラフ・インフォグラフィックを活用 |
1.メディアフックを増やす
「メディアフック」とは、記者や編集者が「これは記事にしたい!」と感じる要素のことです。
プレスリリースを書く際は、フックを1つではなく、いくつも組み合わせることが大切です。
メディアが注目する主なフック例
・社会トレンドと関連(SDGs、AI/DX、Z世代向けなど)
・業界初・国内初・世界初(ユニークな技術やサービス)
・インパクトのある数値データ(前年比○%増など)
・著名人・有名企業とのコラボや招待
・意外性やストーリー性(困難を乗り越えた開発背景など)
例えば、新商品のプレスリリースを出す際に、「業界初の○○技術を採用し、前年比200%の成長!」といったように、ユニークな特徴と具体的な数値データを組み合わせることで、メディアの関心を引くことができます。

2.メディア視点で書く
プレスリリースの読み手は、一般消費者ではなくメディア関係者(記者・編集者・ディレクター)です。
そのため、
「この商品はすごい!ぜひ買ってください!」
といった直接的な売り込みの文章は広告的表現になるのでNGです。
メディア関係者が求める情報
・ニュースバリューがあるか?(今、うちがこの情報を取り上げる価値があるか?)
・社会的な影響があるか?(うちの読者や視聴者が興味を持つか?)
・企業の広告宣伝ではなく、客観的な事実か?
記者や編集者は、企業の宣伝ではなく、社会的な意義やニュースバリューのある報道価値の高い情報を求めています。
3.5W1Hを簡潔に伝える
プレスリリースは、一目で内容が理解できる構成が求められます。
記者は日々大量のプレスリリースを受け取っているため(大手新聞社本社だと1日500通前後とも!)、パッと見てよくわからない、伝わらない内容のプレスリリースは読んでもらえません。
まずは、基本の5W1Hでプレスリリースの内容を簡潔にまとめてリード文としてまとめましょう。
5W1Hの基本
Who(誰が)–企業・社長・ブランド名
What(何を)–発表内容(新商品・サービスなど)
When(いつ)–発売日・イベント開催日
Where(どこで)–店舗・オンライン
Why(なぜ)–取り組みの背景・意義
How(どのように)–具体的な方法・特徴
例えば、冒頭で
「○○株式会社(Who)は、業界初の△△(What)を○年○月○日(When)より××××(Where)にて販売開始(How)。これにより、□□(Why)を実現します。」
と簡潔かつ明確に伝えることで、記者がすぐに内容を把握でき、最後までプレスリリースを読んでもらえる確率が高まります。

4.開発ストーリーを加える
プレスリリースには、単なる商品説明だけでなく「開発ストーリー」を加えることが重要です。
なぜなら、紹介するものの背景やストーリーがある情報のほうが、メディア関係者が報道価値を感じやすいからです。
開発ストーリーを入れるポイント
・なぜこの商品・サービスを開発したのか?
・開発の過程でどんな課題を乗り越えたのか?
・企業の想いやこだわりはどこにあるのか?
・この商品・サービスを通した今後の目標はなにか?
単なる商品のスペックではなく、「企業のストーリー」として開発の背景や未来予想図を伝えることで、よりメディアに刺さるリリースになります。
5.視覚的に情報を整理
プレスリリースは、メディア関係者に一通り読んでもらったうえで、報道価値を感じて取材してもらうことがゴールです。
そのためには、視覚的に情報をまとめてメディア関係者に取材の意欲を高めてもらうことが大事です。
特にテレビにおいては「映像映えする要素があるか?」、新聞や雑誌は社会的な影響や根拠のあるデータなどが取材の明暗をわけるので、あらかじめプレスリリースに掲載しておくと取材の確率が高まります。
効果的な視覚要素
・グラフ・インフォグラフィック–データを視覚的に伝える
・高品質な写真・動画–記事やニュースで使いやすい画像や動画を用意
・箇条書きでポイントをまとめる–重要な内容を分かりやすく整理
写真や動画は、1つのフォルダにまとめてそのURLやQRコードをメディアに共有すると、相手も見やすく便利です。

まとめ–メディア取材が来るプレスリリースの5つのポイント
最後に、改めてメディアに選ばれるためのプレスリリース作成ポイントを整理しましょう。
1.メディアフックを増やす
「このリリース、ちょっと面白いかも」と思ってもらえる“きっかけ”=メディアフックを複数仕込むことが重要です。業界初・トレンド性・社会課題との関連・インパクトある数字・著名人との連携など、多面的な切り口を用意することで、取材や掲載される確率がぐっと高まります。
2.メディア視点で書く
プレスリリースはあくまで「報道されるための情報資料」です。企業側の“伝えたいこと”ではなく、記者や編集者が“取り上げたくなること”を中心に構成する視点が求められます。客観性、社会性、公共性のある情報を心がけましょう。
3.5W1Hを簡潔に伝える
基本中の基本ではありますが、意外と見落とされがちなのが「5W1H(誰が/何を/いつ/どこで/なぜ/どのように)」の構成。タイトルや冒頭段落を読んだだけで概要が伝わるように整理されていなければ、忙しい記者には読み飛ばされてしまいます。
4.開発ストーリーを加える
ただの新商品紹介では他社と差別化できません。なぜこの商品やサービスを開発したのか、そこに込めた思いは何か。社会背景や課題、現場でのエピソードなど、共感性や人間味のあるストーリーがメディアの心を動かします。
5.視覚的に情報を整理
大量の情報が日々飛び交う今、読み手に伝えるには「見せ方」も重要です。グラフや写真、箇条書きなどを活用して、視覚的にわかりやすく構成することで、リリースの印象や理解度が大きく変わります。特にWebメディア向けには、画像・動画素材の有無が掲載可否に直結することもあります。これらのポイントを押さえてリリースを構成すれば、ただ「出すだけ」ではなく、実際に“取材される”“掲載される”プレスリリースへと近づけることができます。
企業やサービスの魅力を、メディアを通して広く届ける第一歩として、今日から実践してみてください。