【広報セミナーレポート】エンカウント現役記者が明かす“記事化の判断基準”と年末年始PRの設計術

2025年11月5日(水)、株式会社グラヴィティPRは、年間1億PV超の記事を執筆する総合ニュースサイト『ENCOUNT』の現役記者・吉原知也氏をゲストに迎え、オンラインセミナー「ネット時代における“拡散する記事”の条件」を開催しました。

年末年始という“情報の渋滞期”を前に、広報担当者が押さえるべき「記事化の本質」とは何か。
本セミナーでは、事前打ち合わせで共有していた実務レベルの論点まで踏み込み、プレスリリース設計から炎上対応まで具体的に解説しました。

本記事では、その要点をレポートいたします。

なぜ今、「記事化の条件」を理解する必要があるのか

年末年始は、年間総括やランキング、新年企画など企業発信が集中する時期です。一方で、メディア側の掲載枠は限られています。

そこで示されたのが、記事化の判断基準です。

一次情報 × 感情 × 時事性

単なる商品・サービス紹介ではなく、「なぜ今なのか」「誰の感情が動くのか」「社会の空気と接続しているか」が問われます。

広報は“出すこと”ではなく、“意味づけを設計すること”であるという視点が強調されました。

読まれるプレスリリースの条件

セミナーで繰り返し語られたのは、5W1Hの徹底です。特に重視すべきは「Why(なぜ)」。
この“なぜ”が弱いリリースは、どれほど情報量があっても記事化されにくいという明確な指摘がありました。

また、構成面では「1枚目にすべてを書く」ことの重要性が示されました。
最も伝えたい情報は1ページ目に集約し、2枚目以降は補足資料や参考情報に留める。
最後まで読まれる前提で書かないことが基本です。

さらに、IT系リリースに多い専門用語やカタカナ語は、一般生活者が理解できる日本語に置き換えること。
機能説明ではなく、「どんな感情が生まれるのか」まで描くことで、読者の自分ごと化が進みます。

メール件名についても、開封率を高める工夫が共有されました。
「取材案内」など目的が明確な言葉を冒頭に置き、発信元も企業名と担当者名が一目で分かる表示にする。
細部の設計が、最初のハードルを越える鍵になります。

実例から見る“話題化”と“炎上”の境界線

当日は、実際に大きな反響を生んだ調査リリースや経営者インタビュー記事の事例が紹介されました。
いずれも共通していたのは、一次情報に明確な社会性や時流との接続があった点です。

一方で、商品復刻企画や長年愛される菓子ブランドの再話題化など、“懐かしさ”を切り口に成功した事例も共有されました。
共感を軸に設計された情報は、自然と拡散を生みます。

対照的に、炎上事例の分析も行われました。
広告表現や安全対応に関する報道など、企業姿勢が問われるケースでは、対応の一言が二次拡散を招くことがあります。

“共感”と“物議”は紙一重。
偶発的なバズに頼らず、リスクも含めて設計する重要性が語られました。

炎上時に問われる広報姿勢

炎上対応において最も重要なのは、誠実さと事実の徹底です。

根拠のない推測や曖昧な謝罪は、かえって不信感を生みます。
キャンセルカルチャーに過度に迎合する必要はなく、場合によっては静観する判断も選択肢になります。

また、取材対応の方法にも注意が必要です。
電話回答は迅速ですが、担当者ごとの認識差がリスクとなります。
一方、文書回答はそのまま掲載される可能性が高いため、内容精査が不可欠です。

広報対応はスピードと正確性の両立が求められる領域であることが改めて示されました。

ニッチ企業こそ必要な「生活者視点」

大企業と同じ土俵で情報量を競うことは現実的ではありません。
中小企業やニッチ市場の企業にとって重要なのは、「誰に、どう刺さるか」という設計です。

生活者目線の切り口、共感を生むストーリー、背景にある想い。
これらを言語化できたリリースは、規模に関係なく強い力を持ちます。

「記者に読まれない」という悩みに対する答えは明確でした。
記者目線ではなく、一般読者目線で設計すること。
その結果として、記者の目にも留まるという構造です。

年末年始PRで結果を出すために

今回のセミナーを通じて浮かび上がった要点は、次の三つに集約されます。

  • 一次情報を明確にする
  • 感情を設計する
  • 時事性と接続する

露出は偶然ではなく、設計の結果です。
年末年始という競争が激化する時期だからこそ、配信日ではなく“設計開始日”が成果を左右します。

これからの広報に求められる視点

ネット時代の広報は、記事になることがゴールではありません。
その露出が企業の信頼やブランド価値にどう積み上がるかまで設計する必要があります。

今回のセミナーは、参加者にとって「発信する広報」から「設計する広報」への転換点となる機会となりました。

グラヴィティPRでは、単発のリリース支援ではなく、記事が動く構造をつくる伴走型支援を行っています。
今後も、実務に直結する学びの場を提供してまいります。


※こちらの内容は、株式会社グラヴィティPRが実施した広報・PR担当者向けセミナー「ネット時代における“拡散する記事”の条件」をもとに構成したセミナー報告コラムです。
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